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働き方改革の一つとして「時間外労働の上限制限」が掲げられ、大企業では2019年4月1日から、中小企業では2020年4月1日から施行されました。
この「時間外労働の上限制限」は原則「時間外労働を月45時間・年360時間」とし、臨時的な特別の事情がなければこれを超える事は出来ないというものになっています。
そんな時間外労働をさせた場合、事業主はいくら残業代を支払わないといけないかご存じですか?
今回の記事では残業代を1.25倍支払わないといけない場合について解説します。
一般的な残業とは別で、事業主が支払わないといけない割増賃金は、「時間外労働」「深夜労働」「法定休日労働」の3種類に分けられます。
また時間外労働は「法定時間外労働」と「法定内時間外労働」に、休日労働は「法定休日労働」と「法定内休日労働」に分けられます。
残業代(割増賃金)は「法律で定められた労働時間・休日を超える、法定時間外労働・法定休日労働」に適用されます。
会社で定めた労働時間・休日のことを所定労働時間、所定休日と呼びますが、所定労働時間・所定休日を超え、法定労働時間・法定休日を超えない労働には残業代(割増賃金)を支払う必要はありません。
最低割増率 | 対象労働 | |
法定時間外労働 | 25% | 法定時間の1日8時間・週40時間を超える労働 |
深夜労働 | 25% | 夜22時から朝5時までの労働 |
法定内時間外労働 | 0% | 会社で定めた1日・週の所定労働時間を超え、法定時間を超えない労働 |
法定休日労働 | 35% | 法定休日(週1日または4週4日)の労働 |
法定内休日労働 | 0% | 会社で定めた休日(所定休日)労働で、法定休日に当たらない労働 |
また法定時間外労働をして、かつ深夜労働をするなど、割増賃金の対象が2つ重なった場合は割増率も足して計算する必要があります。
組合せ | 最低の割増率 | 対象労働 |
法定時間外+深夜労働 | 25% + 25% = 50% | 1日8時間・週40時間を超えかつ夜22時から朝5時の労働 |
法定内時間外+深夜労働 | 0% + 25% = 25% | 法定時間外労働には当たらない深夜労働 |
法定休日+深夜労働 | 35% + 25% = 60% | 法定休日における深夜労働 |
法定内休日+深夜労働 | 0% + 25% = 25% | 法定休日には当たらない休日労働における深夜労働 |
法定休日+法定時間外 | 35% + 0% = 35% | 法定休日における法定時間外労働 |
表を見てわかる通り、組合せされるのは深夜労働のみになります。
これは時間外労働・休日労働と、深夜労働というのは割増賃金を支払う目的が違うからです。
その為、法定休日と法定時間外労働が重なる場合は、法定休日の割増率のみが適用され、割増率は組合せされません。
法定休日である日曜日に、法定時間外労働である10時間働いた場合でも法定時間の8時間を超える2時間分の割増率を支払う必要はありません。
この場合10時間全ての賃金に法定休日の割増率35%を割増するだけになります。
先述していますが、改めて「法定」と「所定」の違いを解説していきます。
法律で定められた割増率の適用があるのは、法定を越えた場合のみです。
所定を超えても、法定を超えていなければ、割増率の適用はありません。
こちらも先述していますが、改めて「深夜労働」と「法定時間外労働・法定休日労働」の目的の違いを解説していきます。
深夜労働と組合せがあった場合のみ、割増率も組合せされるのは、目的に違いがあるからです。
深夜労働に対しての割増は、深夜の時間帯に労働させる事への抑制、法定時間外労働・法定休日労働に対しての割増は、法定で定められた時間の長さに対しての抑制です。
目的が違うので、「法定で定められた長さを超過」して、かつ「深夜の時間に労働」させるとそれぞれの目的に適用させるので組合せされるという事ですね。
今回は、残業代を1.25倍支払わないといけない場合はどんな場合かを解説した記事でした。
以下の3点を確認すると、割増率が正確に理解出来ます。
残業代(割増賃金)の計算方法を正しく理解して、事業の健全な発展をしていきましょう。
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