「労働保険保険関係成立届」とは

「労働保険保険関係成立届」とは、労災保険・雇用保険などの労働保険の適用事業所となった場合に労働者の労働保険の加入手続きに必要な書類です。
「労働保険」とは
「労働保険」とは「労災保険」「雇用保険」の2つの労働に関する保険制度を総称したものです。保険給付は各保険制度から行われますが、保険料の徴収・申告については原則として労働保険として一体のものとして取り扱われることになっています。
雇用保険とは
「雇用保険」とは失業者や雇用継続困難者など「雇用に関する総合的な機能をもった保険制度」です。
労災保険とは
「労災保険」とは「業務上や通勤が原因で負傷、疾病、死亡した場合に労働者やその遺族を保護するための保険制度」です。
労働保険の加入義務
労働保険は一部の農林水産業の事業所を除き、原則として労働者1名以上雇用するとその事業所は適用事業所となるため、事業主は労働保険の成立手続を行い、保険料や申告を行わないといけない義務が生じます。
「労働保険保険関係成立届」の書き方
「労働保険保険関係成立届」の書き方を各項目ごとに画像付きで説明していきます。
届出年月日・事業主・事業・事業の概要・事業の種類
- 届出年月日…届出年月日を記入
- 事業主…事業主の住所、事業主の名称を記入
- 事業…事業の所在地(電話番号)、事業の名称を記入
- 事業の概要…事業の概要を記入
- 事業の種類…事業の種類を記入
加入済みの労働保険・保険関係成立年月日・雇用保険被保険者数・賃金総額の見込み額
- 加入済みの労働保険…すでに加入済みの労働保険に◯を記入(初めて労働保険に加入する場合は記入は不要)
- 保険関係成立年月日…労働保険の適用事業となった年月を記入
- 雇用保険被保険者数…「一般・短期」にはその年度における 1 か月平均雇用保険被保険者数を記入、「日雇」には日雇労働者数を記入
- 賃金総額の見込み額…保険関係が成立した日から当該年度末(3月31日)までの期間に使用する労働者にかかる賃金総額の見込額を記入
- 1 か月平均雇用保険被保険者数=一般被保険者数、高年齢労働者数及び短期雇用特例被保険者数の合計数
種別
- 種別…種別の一番右側に「0」「1」「2」を記入
- 事業が継続事業の場合は0、事業の期間が定められている有期事業の場合は1を記入します。
届出先・届出目的
- 届出先…所轄の労働基準監督署を記入し、労働基準監督署以外を二重線で消す
- 届出目的…「(イ)届けます」以外を二重線で消す
住所(カナ)・住所(漢字)
- 住所(カナ)…事業所の住所を郵便番号からカタカナで記入
- 住所(漢字)…事業所の住所を漢字で記入
- 濁点・半濁点は1文字
名称・氏名(カナ)・名称・氏名(漢字)
- 名称・氏名(カナ)…事業所の名称・氏名をカタカナで記入
- 名称・氏名(漢字)…事業所の名称・氏名を漢字で記入
- 個人の場合は屋号のほか事業主の氏名を記入
- (カナ)…カタカナと「-」のみ を使用、英字はカタカナに置き換 えて読みやすいよう適宜区分して記入
- (漢字)…漢字・ひらがな・カタカナの他、英字にて正しく記入
保険関係成立年月日・雇用保険被保険者数
- 保険関係成立年月日…⑥欄の年月日を記入
- 雇用保険被保険者数…⑦欄の一般・短期と日雇との合計人数を記入
常時使用労働者数
- 常時使用労働者数…その年度における1日平均使用労働者数を記入
- 1日平均使用労働者数=延使用労働者数(臨時・日雇含む)/所定労働日数
法人番号・事業主氏名
- 法人番号…法人の場合は13桁の法人番号を記入、個人事業主の場合は13桁全てを0で記入
- 事業主氏名…法人の場合は法人名、役職、代表者名、個人事業主の場合は屋号、事業主氏名を記入
「労働保険保険関係成立届」の記入例
「労働保険保険関係成立届」の記入例は次のとおりになります。

「労働保険保険関係成立届」のダウンロード方法
「労働保険保険関係成立届」は厚生労働省のサイトからダウンロードできます。
「労働保険保険関係成立届」以外にも労働保険関係各種様式のダウンロードをしたい場合、厚生労働省のサイトからダウンロードができますので是非ご活用ください。
「労働保険保険関係成立届」の添付書類
「労働保険保険関係成立届」は原則として添付書類の提出は不要です。
ただし次の「労働保険概算保険料申告書(納付書)」「雇用保険適用事業所設置届」「雇用保険被保険者資格取得届」に関しては後日提出する必要がある書類になるので保険関係成立届とあわせて提出する方も多いです。
- 「労働保険概算保険料申告書(納付書)」
- 「雇用保険適用事業所設置届」
- 「雇用保険被保険者資格取得届」
「労働保険概算保険料申告書(納付書)」とは
「労働保険概算保険料申告書(納付書)」とは「その年度の労働保険料の見込み額を概算で申告・納付」するための書類です。
労働保険料はその年度の賃金額に保険料率をかけて決定しますので、賃金額が確定しないと保険料の確定ができません。そのため、まずその年度の見込み額を概算で申告・納付を行い、翌年度に確定した保険料を申告する「年度更新」という仕組みを用いています。当然概算で納付しますので、納付した概算保険料と、確定した確定保険料に差が生じますので、その差額を確定保険料の申告時に納付したり、還付されたり、次の年度に充当されたりします。
「労働保険概算保険料申告書(納付書)」に関しては別の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
「雇用保険適用事業所設置届」とは
「雇用保険適用事業所設置届」とは「雇用保険適用事業所」となった場合に届出する書類です。
「雇用保険適用事業所設置届」に関しては別の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
「雇用保険被保険者資格取得届」とは
「雇用保険被保険者資格取得届」とは「労働者を雇用保険へ加入する義務が生じたときに公共職業安定所(ハローワーク)に届出するための書類」です。
「雇用保険被保険者資格取得届」に関しては別の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
「労働保険保険関係成立届」の提出期限
「労働保険保険関係成立届」の提出期限は「保険関係が成立した日の翌日から起算して 10 日以内」です。
保険関係が成立した日とは
保険関係が成立した日とは、「その事業が開始された日」や「その事業が適用事業に該当した日」です。保険関係は保険関係成立届を労働基準監督署に届出をすることによって成立するのではなく、法律上当然に成立します。
「労働保険保険関係成立届」の提出先
「労働保険保険関係成立届」の提出先は「所轄の労働基準監督署」です。
その他届出書類・提出期限・提出先
「労働保険保険関係成立届」を届出するときは、労災保険、雇用保険の適用事業となったときとなりますので保険関係成立届以外にも、労災保険、雇用保険それぞれの届出書類が必要となります。
「労働保険保険関係成立届」を届出する場合に必要なその他の届出書類や提出期限、提出先は次のとおりです。
| 種類 | 適用保険 | 提出期限 | 提出先 |
|---|---|---|---|
| 労働保険保険関係成立届 | 労災・雇用 | 保険関係が成立した日の翌日から起算して10日以内 | 所轄の 労働基準監督署 |
| 概算保険料申告書(納付書) | 労災 | 保険関係が成立した日の翌日から起算して50日以内 | 所轄の労働基準監督署/労働基準監督署/金融機関・郵便局 |
| 雇用保険被保険者資格取得届 | 雇用 | 資格取得の事実があった日の翌月10日まで | 所轄の 公共職業安定所 |
| 雇用保険適用事業所設置届 | 雇用 | 労働者を雇い入れた日の翌日から起算して10日以内 | 所轄の 公共職業安定所 |
| 労働保険保険関係成立届の事業主控え | 雇用 | 雇用保険適用事業所設置届の届出時に添付 | 所轄の 公共職業安定所 |
「労働保険保険関係成立届」の届出の流れ・全体像
「労働保険保険関係成立届」の届出のときに、関連するその他届出書類や提出先、提出期限を確認しましたが流れや全体像は次のとおりです。複数の届出書類と提出先がありますので図で理解しておきましょう。
また労働保険は「一元適用事業」「二元適用事業」と2種類あります。
- 一元適用事業とは
-
一元適用事業とは、労災保険と雇用保険の保険料の申告・納付等に関して両保険を一元的に取扱う事業。一般的に、農林水産業・建設業等以外の事業が一元適用事業となります。
- 二元適用事業とは
-
二元適用事業とは、事業の実態から、労災保険と雇用保険の適用を区別する必要があるため、両保険の保険料の申告・納付等を別々(二元的)に行う事業です。一般的に、農林水産業・建設業等が二元適用事業となります。
一元適用事業の場合の流れ・全体像
一元適用事業の流れ、全体像は次のとおりです。

二元適用事業の場合の流れ・全体像
二元適用事業の流れ、全体像は次のとおりです。

「労働保険保険関係成立届」の個人事業主の場合の記入例・書き方の注意点
「労働保険保険関係成立届」の個人事業主の場合の提出方法も法人の場合と同様です。
記入例や書き方の注意点としては事業所の名称・氏名を記入するときに屋号だけではなく、氏名も記入することにご注意ください。
「労働保険保険関係成立届」のe-Govでの電子申請の方法
「労働保険保険関係成立届」の電子申請で届出することも可能です。すでにe-Govをご利用の方は次のリンク先から申請を行うことが可能です。
e-Govや電子申請をまだ行なったことがないという方は別の記事で詳しく解説していますのでそちらを参考にしてください。
まとめ「労働保険保険関係成立届」の「記入例・書き方」を解説!令和4年度のダウンロード・添付書類・提出先・提出期限・e-Govでの電子申請・個人事業主の場合も紹介
今回の記事では「労働保険保険関係成立届」の記入例・書き方を解説しました。
労働保険は労災保険・雇用保険を総称したもので、保険給付はそれぞれの保険制度から給付となりますが、保険料の徴収や申告などは労働保険として一元的に取り扱います。
原則としては1名でも労働者を雇用すると必要になりますので、忘れないように届出をしましょう。










