ダブルワークの失業保険「3つの注意点」「4時間基準」「副業の雇用保険の基本」を解説【令和4年】

ダブルワーク失業保険

届出書類の書き方・労働問題」社労士に無料相談

CONTACT

社会保険労務士事務所 NEUTRALへのご相談はお問合せフォームよりお気軽にお問合せください。

働き方改革の普及に伴い、パートやアルバイトでの勤務が増えたり、副業をしたりとダブルワークをしている方は増えているのではないでしょうか。

ダブルワークをしている場合、一方の仕事を退職した場合に雇用保険の被保険者だった場合、一定の要件を満たせばその退職に伴う受給資格に基づいて失業保険をもらう事が出来ます。

この失業保険、待機期間や受給期間中に仕事をしてしまうと、失業保険がもらえなかったり、減額されたりしてしまいます

今回の記事ではダブルワークをしていた場合の失業保険の「3つの注意点」「4時間基準」「副業の雇用保険の基本」に関して解説していきます。

目次

ダブルワーク(副業)の場合の失業保険の基本

ダブルワーク(副業)をしていて、どちらか一方の職場で雇用保険の被保険者だった場合、一定の要件を満たせば失業保険をもらう事が出来ます。

この雇用保険の被保険者になる為の基本的なポイントをおさらいしていきます。

1つの会社でしか被保険者になる事が出来ない

また、それぞれの会社での労働が、以下の適用除外に該当する場合は雇用保険の被保険者にはなる事が出来ません。

雇用保険の適用除外されるケース

失業保険をもらうための雇用保険への加入が適用除外となるケースは次のとおりです。

  • 週の所定労働時間が20時間未満の場合
  • 31日以上引き続き雇用される事が見込まれない場合
  • 学生、生徒の場合
    ※季節的労働者や日雇労働者を除く

AとB社でダブルワークをしていてた場合、Aの会社で20時間未満、Bの会社で30時間の週の所定労働時間の場合はAの会社では雇用保険は適用除外されますのでBの会社で雇用保険に加入ということになります。

現在、ダブルワークで働いている会社それぞれの労働を確認して、雇用保険の適用除外に該当しないか、そしてどちらの会社で雇用保険に入っているのかを確認してください。

ダブルワークをしていた場合の失業保険「3つの注意点」

次にダブルワークをしていた場合の失業保険の「3つの注意点」は次のとおりです。

  1. 待機期間 7日間は、仕事をしてはいけない
  2. 1日4時間以上」の場合「失業保険は貰えない
  3. 1日4時間未満」の場合「失業保険は減額される

「待機期間 7日間は、仕事をしてはいけない」

ハローワークに離職票を持っていき、失業保険の受給資格の決定を受けた後、すぐに失業保険をもらえるわけではありません。

待機期間と呼ばれる、通算7日間を失業の状態を経てもらう事が出来るようになります。

雇用保険における失業の定義とは「被保険者が離職し、労働の意思及び能力を有するにもかかわらず、職業に就くことができない状態にあることをいう」と定義されています。

つまりこの待機期間とは、通算して7日間失業状態にあれば本当に、職業に就く事が出来ないと判断される期間という事です。

離職後、待機期間が経過していないのにダブルワークの退職していない方の仕事に従事してしまうと、失業していないと判断され、通算7日間の失業の状態にならず、失業保険をもらう事が出来ません。

「1日4時間以上」の場合、「失業保険は貰えない」

待機期間の通算7日間の失業の状態を経て、受給資格決定を受けた後から28日後の失業認定日にハローワークへ行くと、その28日間の中で「失業していた日が何日あるか・働いていた日が何日あるか」を申告します。

これを失業認定と呼び、失業していた日分の失業保険を支給するという形になります。

失業認定をする上で、「働いていたかどうか」の判断基準はこちらです。

  • 「1日4時間以上の労働」…働いている(つまり失業していない日なので、失業保険は支給されない
  • 「1日4時間未満の労働」…働いていない(つまり失業している日なので、失業保険は支給される
    ※1日4時間未満の労働の場合、失業保険は支給されるが、減額あり。減額の大きさによっては不支給もあり。(次で解説)

ダブルワークの退職していない方の労働が1日4時間以上の場合、その勤務した日は失業と認定されず、その日分の失業保険はもらう事は出来ません。

「1日4時間未満」の場合、「失業保険は減額される」

またダブルワークの退職していない方の労働が1日4時間未満の場合、ダブルワークの退職していない方の労働で得られる金額によって、減額もしくは不支給の場合もあります。

減額の具体的な計算式はこちらです。

ダブルワークをしていて退職していた会社=A社
ダブルワークをしていて現在も働いている会社=B社

「B社のその日の賃金額」+「A社を退職した事による失業保険の日額」ー「控除額」で計算した金額が

  • 「A社の賃金日額の80/100」を超える場合…超えた分が失業保険から減額
  • 「A社の賃金日額の80/100」を超えない場合…失業保険は全額支給
  • 「A社の賃金日額の80/100」を超えた額が失業保険の額を超える場合…失業保険は不支給

要は雇用保険は、退職前に雇用保険に加入していた会社(A社)の80%までは、生活保障として守ろうという考え方です。

退職後、「B社の収入」と「失業保険」を足した時に、「A社の収入の80%」を超える場合は、その分減額するという事です。

ちなみに、控除額というのは事務手数料だと考えてください。

また1日4時間未満の場合も、1日4時間以上の場合も失業認定申告書でハローワークで申告する必要がありますので注意してください。

雇用保険の失業保険を受給する為の基本的な流れ

雇用保険の失業保険を受給する流れは次のとおりです。

  1. ハローワークへ行き「求職の申込み」「離職票の提出」を行い「受給資格決定」を受けます。
  2. 通算7日間の待機期間(失業している日が7日間必要)
  3. 雇用保険説明会へ出席し「雇用保険受給資格者証」をもらう。
  4. 「受給資格決定」から28日後の失業認定日にハローワークへ行き「失業認定申告書」の提出し「失業認定」を受ける
  5. 28日間の失業認定期間のうち、失業していた日分の基本手当を支給

失業保険を不正受給した場合の罰則

ダブルワークをしていて退職した会社の失業保険を受給中に、ダブルワークの退職していない方の会社で働く為の注意点を解説してきましたが、注意点を守らずに不正受給となってしまった場合の罰則について解説していきます。

雇用保険は不正受給の罰則が重く、不正受給が発覚した以後は、その受給資格に関わる失業保険を受給する事が出来なくなり、かつ、その受給資格で不正受給した「失業保険の受給額の返還」と「その2倍の額の納付」が罰則としてあります。

不正受給の受給資格に関わる、以後の失業保険を受ける事が出来なくなるだけではなく、「失業保険の受給額の返還」+「その2倍の額の納付」となるので、不正受給した受給額の3倍の額を支払わないといけないという事ですね。

「失業保険」副業は1日いくらまでなら減額されない?

失業保険をもらいながら副業する場合、副業の収入が1日いくらまでなら失業保険が減額されないのでしょうか。

失業保険が減額されない副業の収入は次のとおりです。

基本手当日額+1日の副業収入−控除額1,296円」が「賃金日額の80%」を超えない場合

少々分かりづらいので直した式がこちらになります。

「賃金日額の80%」ー「基本手当日額」+「控除額1,296円」までの
「1日の副業収入」なら失業保険は減額されない。

仮に賃金日額が10,000円で、基本手当日額が5,924円の場合、1日の副業収入が3,372円までの場合失業保険は減額されない計算になります。

控除額は令和3年8月以降に変更された1,296円で計算しています。

まとめ:ダブルワークをしていた場合の失業保険の注意点

今回は、ダブルワークをしていた場合に失業保険を受給する際の注意点について解説しました。

ダブルワークの退職していない方の会社を続けていきながら、失業保険をもらうには「待機期間は働かない」「1日4時間以上の場合は失業保険はもらえない」「1日4時間未満の場合は減額か不支給」「週20時間以内に抑える」などの注意点がありましたね。

注意点を守り、不正受給とならないようにしてください。

人事労務は社会保険労務士に無料相談

  • 従業員が増えてきて「人事労務の届出書類や手続きが増えてきた
  • 法改正は毎年あるのに「就業規則変更を数年していない
  • もっと「助成金制度提案」が欲しい
  • 管理職人事部に「労働基準法や社会保険の研修」をしてもらいたい
ダブルワーク失業保険

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次