「賞与の社会保険料」の計算方法?実際にシュミレーションしてみた。標準賞与額・社会保険料の種類の解説!

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毎年賞与の時期になると賞与の社会保険料を支払う時期になります。

今回の記事では「賞与の社会保険料」の計算方法を実際にシュミレーションをして解説します。

目次

「賞与の社会保険料」の計算方法

賞与の社会保険料の計算方法は次のとおりです。

標準賞与額(賞与額の1,000円未満の端数を切り捨てた金額)× 社会保険料率(厚生年金保険料率+健康保険料率+介護保険料率)

標準賞与額という金額」に「社会保険料率を合計したもの」をかけた金額が賞与の場合の社会保険料の計算方法になります。

社会保険料は、事業主と従業員で折半して負担となりますので計算した金額を事業主と従業員が半分づつ支払います。

標準賞与額とは

標準賞与額とは」社会保険料を計算しやすくする為に「実際に支給される賞与の額から千円未満の端数を切り捨てた金額」になります。

この「実際に支給される賞与の額から千円未満の端数を切り捨てた金額」をもとに、社会保険料率をかけて賞与の社会保険料額を算出します。

ちなみに社会保険料の種類ごとに標準賞与額の上限額が定められていて「厚生年金保険料の場合は支給1回につき150万円が上限」「健康保険料の場合は年度の累計額573万円が上限」となっていて、支給される賞与額がそれを超える場合は上限額が標準賞与額となります

社会保険料率の種類

社会保険料の種類」は「厚生年金保険料」「健康保険料」「介護保険料」の全部で3種類あります。

  • 厚生年金保険料
  • 健康保険料
  • 介護保険料(40歳以上の方のみ対象)

介護保険に関しては40歳以上の方が加入となりますので40歳未満の方は対象となりません。

この「厚生年金保険料」「健康保険料」「介護保険料」それぞれに保険料率が定められていてこの3種類を合計した社会保険料率を標準賞与額にかけて社会保険料を計算します

厚生年金保険料率とは

社会保険料率の1つ目の「厚生年金保険料率」。

厚生年金保険料率は年度によって改定され令和4年度の厚生年金保険料率は「18.3%」です。

※社会保険料は、上記保険料率を事業主と従業員で折半して負担します。

そもそも「厚生年金」というのは「将来の年金の2階部分にあたる年金」です。
日本国民は全員が国民年金に加入していますが、年金の1階部分にあたるのが国民年金。
お勤めの方はプラス厚生年金に加入していますので、将来年金の2階部分も上乗せで支給されます。

健康保険料率とは

社会保険料率の2つ目の「健康保険料率」。

健康保険料率は年度だけではなく「都道府県」「加入先」によって異なります。

加入先は大きく分けて「全国健康保険協会(協会けんぽ)」「各健康保険組合」の2種類があります
お勤めの企業や業界ごとに健康保険組合があり、それに加入している場合は「健康保険組合の健康保険」へ。
健康保険組合がない会社や業界にお勤めの場合は「全国健康保険協会」へ加入となります。

令和4年度東京都の場合、次のような保険料率になります。

  • 協会けんぽ健康保険料率は「9.81
  • 関東ITソフトウェア健康保険組合健康保険料率は「8.5%

※社会保険料は、上記保険料率を事業主と従業員で折半して負担します。

介護保険料率とは

社会保険料率の3つ目の「介護保険料率」。

介護保険の加入の対象となるのは「65歳以上の介護保険第1号被保険者」「40歳以上65歳未満の健康保険に加入している介護保険第2号被保険者」に分けられます。「40歳以上65歳未満の健康保険に加入している介護保険第2号被保険者」は会社に勤めていて「協会けんぽ」「各健康保険組合」に加入している方や、個人事業主など「国民健康保険」に加入されている方もいます。今回の記事で紹介する介護保険料率は「40歳以上65歳未満の健康保険に加入している介護保険第2号被保険者」を対象として解説します。

介護保険第2号被保険者の介護保険料率は「年度」「健康保険の加入先」によって異なります。

令和4年度の場合、次のような保険料率になります。

  • 協会けんぽ介護保険料率は「1.64
  • 関東ITソフトウェア健康保険組合介護保険料率は「2%

※社会保険料は、上記保険料率を事業主と従業員で折半して負担します。

「賞与の社会保険料」をシュミレーションしてみた。

賞与の社会保険料は都道府県、加入先、年齢によって異なります。

複数の加入先や年齢でシュミレーションをしてみました。違いがわかるように標準賞与額は全て24万円で統一しています。

東京都在住で42歳の協会けんぽへ加入している方

社会保険料率社会保険料額折半額
(事業主従業員負担)
標準賞与額240,000円
厚生年金保険料18.3%43,920円21,960円
健康保険料9.81%23,544円11,772円
介護保険料1.64%3,936円1,968円
社会保険料 合計29.75%71,400円35,700円

東京都在住で32歳の協会けんぽへ加入している方

社会保険料率社会保険料額折半額
(事業主従業員負担)
標準賞与額240,000円
厚生年金保険料18.3%43,920円21,960円
健康保険料9.81%23,544円11,772円
介護保険料
社会保険料 合計28.11%67,464円33,732円

東京都在住で38歳の関東ITソフトウェア健康保険組合へ加入している方

社会保険料率社会保険料額折半額
(事業主従業員負担)
標準賞与額240,000円
厚生年金保険料18.3%43,920円21,960円
健康保険料8.5%20,400円10,200円
介護保険料
社会保険料 合計26.8%64,320円32,160円

東京都在住で53歳の関東ITソフトウェア健康保険組合へ加入している方

社会保険料率社会保険料額折半額
(事業主従業員負担)
標準賞与額240,000円
厚生年金保険料18.3%43,920円21,960円
健康保険料8.5%20,400円10,200円
介護保険料2%4,800円2,400円
社会保険料 合計26.8%69,120円34,560円

まとめ「賞与の社会保険料」の計算方法?実際にシュミレーションしてみた。

今回の記事は賞与の社会保険料の計算方法について解説しました。

標準賞与額は厚生年金、健康保険それぞれで上限額があり、健康保険料や介護保険料は加入先や年齢によって異なりますのでご注意ください。

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