「被保険者賞与支払届」の書き方・記入例を徹底解説!提出先・ダウンロード・忘れていた、遅れた場合・退職者、0円、支給なし・賞与不支給報告書や総括表・訂正・e-Gov電子申請・70歳以上なども紹介

健康保険・厚生年金保険 被保険者賞与支払届/厚生年金保険 70歳以上被用者賞与支払届

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目次

「被保険者賞与支払届」とは

「被保険者賞与支払届」の書き方・記入例を徹底解説!提出先・ダウンロード・忘れていた、遅れた場合・退職者、0円、支給なし・賞与不支給報告書や総括表・訂正・e-Gov電子申請 2

「被保険者賞与支払届」とは、健康保険・厚生年金などの社会保険適用事業所が「賞与の社会保険料を算出、納付するための届出書類」です。

「賞与」とは

「被保険者賞与支払届」の対象となる「賞与」とは健康保険法、厚生年金保険法で「賃金・給料・俸給・手当・賞与などの名称にかかわらず、従業員が労働の対償として受け取るもので、毎月支払われる賃金とは別に3カ月を超える期間ごとに支払われるもの」とされています。

3ヶ月を超える期間(年3回以下)ごとに支払われるものが「賞与」となりますので、3ヶ月以内の期間(年4回以上)ごとに支払われるものは「賞与には含まれません」。

「社会保険」とは

「被保険者賞与支払届」の対象となる社会保険とは「健康保険」「厚生年金保険」、40歳以上の方は「介護保険」が該当します。

  1. 「健康保険」…業務外により疾病・負傷、出産などへの医療費や所得保障などの制度
  2. 「厚生年金保険」…老後の年金、障害や死亡時の所得保障などの制度
  3. 「介護保険(40歳以上の方)」…介護費用の保障などの制度

社会保険の適用事業所にお勤めの方で、社会保険の対象となる労働者は被保険者となり、社会保険へ加入することができるようになります。社会保険への加入をするという事は社会保険料を負担することになり、「毎月の報酬」と「年3回以下の賞与」から社会保険料を計算します。

「報酬」「賞与」どちらの場合でも社会保険料は労働者本人と、会社の双方で折半して負担していますので、会社が将来もらえる年金や万が一の時の所得保障のための保険料を支払ってくれています。

「被保険者賞与支払届」の記入例

「被保険者賞与支払届」の記入例は次のようになっています。

被保険者賞与支払届(記入例)-01
「被保険者賞与支払届」の記入例

「被保険者賞与支払届」の書き方

「被保険者賞与支払届」の項目ごとの書き方は次のとおりになります。

提出年月日・提出者記入欄(事業所整理番号・所在地・名称・事業主氏名・電話番号)

「被保険者賞与支払届」の記入例
  • 提出年月日…提出年月日を記入
  • 事業所整理番号…事業所整理番号を記入
  • 所在地…事業所の住所を記入
  • 名称…事業所の名称を記入
  • 事業主氏名…事業主の氏名を記入
  • 電話番号…事業所の電話番号を記入

賞与支払年月日(共通)

「被保険者賞与支払届」の記入例
  • 賞与支払年月日(共通)…賞与支払年月日を記入

被保険者整理番号・氏名・生年月日・賞与支払額(通貨・現物・合計)・個人番号・備考

「被保険者賞与支払届」の記入例
  • 被保険者整理番号…被保険者整理番号を記入
  • 氏名…被保険者(被用者)の氏名を記入
  • 生年月日…被保険者(被用者)の生年月日を記入
  • 賞与支払額(通貨)…通貨によって支払った賞与額を記入
  • 賞与支払額(現物)…現物によって支払った賞与額を記入
  • 賞与支払額(合計)…通貨+現物の合計から1,000円未満を切り捨てた金額を記入
    ※10,000千円以上の場合は9999と記入、保険料の計算では標準賞与額の上限(健康保険は年度累計573万円、厚生年金保険1ヶ月150万円)が適用
  • 個人番号…70歳以上被用者の場合は個人番号(もしくは基礎年金番号)を記入
  • 備考…「70歳以上被用者」「ニ以上の事業所勤務労働者」「同一月内で2回以上賞与を支払った労働者」の場合は該当箇所に◯を記入

「被保険者賞与支払届」の訂正方法

「被保険者賞与支払届」の訂正方法は二重線で以前の賞与支給額を訂正し、訂正後の賞与支給額を記入してください。

訂正をせずに、賞与金額などを誤ったまま「被保険者賞与支払届」を届け出てしまった場合は、提出した年金機構にお問合せをしてください。

「被保険者賞与支払届」のはいつ届く?

「被保険者賞与支払届」は日本年金機構や健康保険組合などの加入先から「賞与支払予定の前月」に郵送で届きます

「被保険者賞与支払届」のダウンロード方法

「被保険者賞与支払届」は原則としては賞与支払予定月の前月に郵送で届きますが、日本年金機構のホームページ「主な届書様式の一覧」からダウンロードすることも可能です。

「被保険者賞与支払届」の提出先

「被保険者賞与支払届」の提出先は管轄の年金事務所または事務センターとなっています。

「被保険者賞与支払届」の提出期限はいつまで?

「被保険者賞与支払届」の提出期限は「賞与支給後5日以内」で提出となっています。

「被保険者賞与支払届」の提出期限の「賞与支給後5日以内」は営業日と土日含むどちら?

「被保険者賞与支払届」の提出期限の「賞与支給後5日以内」は土日に関する記載がありませんので暦日での日数計算となります。提出日が土日の場合は土日が明けた月曜日に提出すれば大丈夫です。

例えば賞与支給日が2022年6月15日(水)の場合、支給後5日後が6月19日(日)となりますので明けた6月20日(月)が「被保険者賞与支払届」の提出期限となります。

「被保険者賞与支払届」の忘れていた場合・遅れた場合(提出期限5日以内を過ぎた)

「被保険者賞与支払届」の忘れていた場合や、何かしらの理由で遅れたてしまい提出期限の賞与支給日から5日以内を過ぎた場合は、すぐに「被保険者賞与支払届」を提出してください。

そのまま「被保険者賞与支払届」を提出せず一定期間が経過した場合に、年金事務所等から督促状が届きます。

督促状の指定した期限までに納付しない場合は、延滞金も発生しますのでご注意ください。

日本年金機構:「延滞金」について

「被保険者賞与支払届」総括表は廃止となったので添付は不要

「被保険者賞与支払届」に添付して提出が必要だった「被保険者賞与支払届 総括表」は令和3年4月より廃止となりました。

令和3年4月から「賞与不支給報告書」という書類を新設しています。

「賞与不支給報告書」とは

賞与不支給報告書」とは日本年金機構に登録している賞与支払予定月に「いずれの被保険者及び70歳以上被用者にも賞与を支給しなかった場合」に提出するための書類です。

なお不支給の場合は、賞与支払届の提出は不要となりますので「被保険者賞与支払届」と「賞与不支給報告書」のどちらかの提出だけで大丈夫です。

「被保険者賞与支払届」の「0円・支給なし」「退職者」「70歳以上の被用者」「二以上の事業所に勤務している」場合

「被保険者賞与支払届」は通常の被保険者に賞与を支払うと提出する必要がありますが「0円・支給なし」「退職者」「70歳以上の被用者」「二以上の事業所に勤務している」の場合にどのようなことが必要かを解説していきます。

「被保険者賞与支払届」 の「0円・支給なし」の場合

賞与は会社の業績によって支給あり、支給なしが変わりますので支給なしの場合は「被保険者賞与支払届」 は提出する必要はありませんので、代わりに「賞与不支給報告書」を提出します。

「被保険者賞与支払届」退職者の場合

「被保険者賞与支払届」は退職者がいる場合は「賞与支払日前に退職していて、賞与を支払っていない場合は提出不要」「賞与支払日以後に退職していて、賞与を支払っている場合は提出が必要」となります。

退職日の翌日が資格喪失日となり、その資格喪失日が含まれる月が資格喪失月となり、資格喪失月の前月までは社会保険料を控除しなくてはいけません。

仮に12月15日に賞与支払日、12月30日退職の場合は資格喪失日は12月31日となり資格喪失月が12月となりますので社会保険料の控除はその前月の11月分までが対象となり、12月15日に支給された賞与の社会保険料は控除されません。

この場合、賞与の支払いはしているので「被保険者賞与支払届」は提出するが、社会保険料は控除されないという事になります。

  • 「被保険者賞与支払届」の提出…賞与を支払ったかどうか
  • 「社会保険料」の控除…退職した場合は、資格喪失月の前月分までが対象

となりますので、「被保険者賞与支払届」の提出が必要かどうかと、「社会保険料」の控除が必要かどうか分けて考えるようにしてください

「被保険者賞与支払届」70歳以上の被用者の場合

社会保険のうち厚生年金保険の被保険者となれるのは原則70歳までとなっているため、70歳以上の方は被保険者と呼ばず、70歳以上被用者と呼びます。

そのため70歳以上の被用者の場合「被保険者賞与支払届」ではなく、「70歳以上被用者賞与支払届」を提出することになります。ただし「被保険者賞与支払届」と「70歳以上被用者賞与支払届」は一緒の書式になっているので提出する書類そのものは一緒です。

注意点としては書式は一緒ですが70歳以上被用者の場合「⑦個人番号(基礎年金番号)」「⑧備考」への記入方法が異なります。

  • 「⑦個人番号(基礎年金番号)」…本人確認のうえ、個人番号か基礎年金番号を記入
  • 「⑧備考」…「1.70歳以上被用者」に◯を記入

「被保険者賞与支払届」二以上の事業所に勤務している場合

1つの事業所だけではなく、ニ以上の複数の事業所で社会保険に加入している場合は、「被保険者賞与支払届」の「⑧備考欄」の「2.二以上勤務」に○を記入します。

「被保険者賞与支払届」をe-Govで電子申請をする方法

「被保険者賞与支払届」をe-Govで電子申請する方法は次のとおりです。

e-Govの手続検索から「賞与支払届」と検索

「被保険者賞与支払届」e-Gov電子申請-01

「健康保険・厚生年金保険被保険者賞与支払届/70歳以上被用者賞与支払届」の「CSVファイル添付方式」「単記用」のどちらかを選択

電子申請の入力方法として、CSVファイルを添付する「CSVファイル添付方式」と直接記入する「単記用」があります。

添付するCSVファイルを用意していない方は「単記用」を選択してください。

「被保険者賞与支払届」e-Gov電子申請-02

厚生労働省:被保険者賞与支払届の電子申請利用マニュアル

厚生労働省から被保険者賞与支払届の電子申請利用マニュアルも公開されていますのでこちらも参考にしてください。

また、社会保険の電子申請のやり方、全体像に関しては別の記事で解説しているので参考にしてください。

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まとめ「被保険者賞与支払届」の書き方・記入例を徹底解説!提出先・ダウンロード・忘れていた、遅れた場合・退職者、0円、支給なし・賞与不支給報告書や総括表・訂正・e-Gov電子申請・70歳以上なども紹介

今回の記事では「被保険者賞与支払届」の書き方・記入例を解説しました。

提出期日が賞与支払日から5日以内となっていますので、遅れないように気をつけてください。

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