児童扶養手当「満額もらう」には? 年収・所得制限を解説

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一定の要件の児童を監護する親や養育者が請求した場合に、支給される児童扶養手当。

この児童扶養手当は年収制限・所得制限があり、一定の年収や所得の方は児童扶養手当が減額されたり、支給されない場合もあります。

またこの所得の計算方法や、児童手当の計算方法は少し複雑です。

今回の記事では児童扶養手当を満額もらうための年収、所得制限について解説します。

目次

児童扶養手当「満額もらう」には? 年収・所得制限はこちら

児童扶養手当_満額もらうには_年収

児童扶養手当を満額もらうことを「全部支給」といいますが、全部支給の場合の年収・所得制限はこちらになります。

この年収・所得制限の年収・所得とは原則は前年の年収・所得の数字ですが、1月から9月までに児童扶養手当を請求した場合は前々年の収入・所得になります。

  • 10月〜12月に児童扶養手当を請求…前年の年収・所得
  • 1月〜9月に児童扶養手当を請求…前々年の年収・所得
児童扶養手当の「年収制限」と「所得制限」
扶養人数 前年の「年収額」「所得額」(1月から9月までに請求した場合は前々年)
満額もらうための「年収額 満額もらうための「所得額
0 122万円 49万円
1 160万円 87万円
2 215万7,000円 125万円
3 270万円 163万円
4 324万円 201万円

児童扶養手当「満額もらう」年収と「一部支給」年収制限を比較

児童扶養手当を満額もらう年収と、満額はもらえないが一部支給の場合の年収制限を比較していきます。

児童扶養手当の年収制限
扶養人数 前年の「年収額」(1月から9月までに請求した場合は前々年)
満額もらうため」の年収 一部支給」の年収
0 122万円 311万4,000円
1 160万円 365万円
2 215万7,000円 412万5,000円
3 270万円 460万円
4 324万円 507万5,000円

児童扶養手当「満額もらう」所得制限と「一部支給」所得制限を比較

児童扶養手当の満額もらうための所得制限と、満額はもらえないため一部支給の場合の所得制限を比較していきます。

児童扶養手当の所得制限
扶養人数 前年の「所得額」(1月から9月までに請求した場合は前々年)
満額もらうため」の所得 一部支給」の所得
0 49万円 192万円
1 87万円 230万円
2 125万円 268万円
3 163万円 306万円
4 201万円 344万円

児童扶養手当における「所得」とは?

児童扶養手当における所得とは、次の定義になっています。

児童扶養手当の所得とは
「①所得(年間収入-必要経費)」+「②養育費の8割」-「③一律控除 8万円」-「④諸控除」

児童扶養手当における「①所得(年間収入-必要経費)」とは

所得」とは1月~12月の年間の収入からその収入を得るのに必要な経費を差し引いた金額を所得といいます。

  • 給与所得者…源泉徴収票の中の「 給与所得控除後の金額 
  • 自営業(ご自身で確定申告されている方)…確定申告書の控えの中の「 所得金額の合計

児童扶養手当における「②養育費」とは

養育費」とは次の要件のすべてに当てはまるものをいいます。

  1. 受給者が母である場合には、児童の父、受給者が父である場合には児童の母が支払ったものであること。
  2. 受給者が母の場合は母又は児童、受給者が父の場合は父又は児童が受け取ったものであること。
  3. 父から母又は児童に支払われたもの、母から父又は児童に支払われたものが金銭、有価証券(小切手、手形、株券、商品券など)であること。
  4. 父から母又は児童への支払方法、母から父又は児童への支払方法が、手渡し、郵送、母、父又は児童名義の銀行口座への振込であること。
  5. 「養育費」、「仕送り」、「生活費」、「自宅などローンの肩代わり」、「家賃」、「光熱費」、「教育費」など児童の養育に関係のある経費として支払われていること。

引用:横浜市ホームページ「児童扶養手当

児童扶養手当における「④諸控除」とは?

所得を算出するうえで出てくる「諸控除」とは次のものが該当します。

「諸控除」に該当するもの
項目 控除額
老人扶養親族 10万円
老人控除対象配偶者 10万円
特定扶養親族及び控除対象扶養親族 15万円
特別障害者控除 40万円
障害者控除 27万円
勤労学生控除 27万円
寡婦(夫)控除 27万円
特別寡婦控除 35万円
雑損控除 控除相当額
医療費控除 控除相当額
小規模企業共済等掛金控除 控除相当額
配偶者特別控除 控除相当額

引用:横浜市ホームページ「児童扶養手当

児童扶養手当の対象者

児童扶養手当を請求できる対象者は次の1.2.3のいずれにも該当する方が対象となっています。

  1. 日本国内に住所がある
  2. 次のいずれかに該当する児童」を監護している
  3. 母、父、又は、母もしくは父に代わって児童を養育している養育者

次のいずれかに該当する児童」とは

  1. 父母が婚姻を解消した児童
  2. 父又は母が死亡した児童
  3. 父又は母が政令で定める程度の障害の状態にある児童
  4. 父又は母の生死が明らかでない児童
  5. 父又は母から1年以上遺棄されている児童
  6. 父又は母が裁判所からのDV保護命令を受けている児童
  7. 父又は母が1年以上拘禁されている児童
  8. 婚姻によらないで生まれた児童
  9. 父・母ともに不明である児童

また児童扶養手当の対象となる児童とは、「18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある者」又は「20歳未満で政令の定める程度の障害の状態にある者」となっています。

児童扶養手当の支給制限

父母、養育者である請求者や、児童が次のいずれかに該当するときは支給制限がかかります。

  • 請求者及び児童が、日本国内に住所を有しないとき。
  • 児童が児童福祉施設などに入所したり、里親に委託されたとき。
  • 父、母又は養育者が婚姻の届け出はしなくても、事実上の婚姻関係(内縁関係など)があるとき。

児童扶養手当の支給額

児童扶養手当の支給額は次のようになっています。

対象児童の数で支給額が変わり、対象児童1人目と2人目、3人目以降とで支給額や加算額が変わってきますのでご注意ください。

満額もらえる場合の支給額

児童扶養手当が満額もらえる場合の支給額は次のとおりになります。

区分 児童扶養手当の月の支給額
対象児童1人の場合 43,070円
2人目加算額 10,170円
3人目以降加算額 6,100円

例えばお子さんが4人の場合は、43,070円+10,170円+6,100円+6,100円の合計値となります。

満額もらえない一部支給の場合の支給額

満額もらえない一部支給の場合の支給額は次のとおりになります。

区分 児童扶養手当の月の支給額
対象児童1人 43,060円-(X-Y)×0.0230070
2人目加算額 10,160円-(X-Y)×0.0035455
3人目以降加算額 6,090円-(X-Y)×0.0021259

少々計算が細かいですね。

計算式に出てくるXとYの定義は次のようになります。

XとYの定義
X 「所得(年間収入-必要経費)」+「養育費の8割」-「一律控除 8万円」-「諸控除」
Y 「全部支給」の「所得制限」限度額(例:扶養1人であれば87万円)

児童扶養手当「シミュレーション」

児童扶養手当は一部支給の場合の計算が少々細かいので、次のサイトでシミュレーションで自動計算ができるようになっています。ぜひ参考に使ってみてください。

参考サイト:Wings -Divorce Forum-「児童扶養手当支給額シミュレーション

参考サイト:ジョイナス・ナゴヤ児童扶養手当・手当額試算

まとめ:児童扶養手当「満額もらう」には? 年収・所得制限はこちら

今回の記事は児童養育手当を満額もらうための年収や所得制限に関して解説した記事でした。

年収と所得は違うことや、児童扶養手当における所得とは、給与所得控除後の所得ではなく養育費の8割を加算したり諸控除を控除することにご注意ください。

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